QXD-012
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Tips Special thanks 難波 様
Illustratorで制作した画像サイズそのままの寸法で、QuarkXPressに画像ボックスを制作し、配置したところ、画像がズレて見えてしまうという経験はありませんか?実はこれ、本当にズレているんです。そのまま出力してしまうと思わぬ事故につながりかねません。私も長年ずっと疑問に思っていたのですが、この度、White Roomの難波さんにこの件に関してレクチャーしていただく機会を持ち、またここへ公開する許可も頂きましたので、ご紹介します。かなりややこしい話になりますが、QuarkXPressを扱う上で必須の知識だと思いますのでぜひご覧ください。
例えばIllustratorで10mm×10mmのEPS図形を描きます。【図1】
【図1】
次にQuarkXPressで10mm×10mmの画像ボックスを作り、Illustratorの画像を配置します。全く同じサイズのボックスを作ったのに、なぜか画像はズレてしまい、ボックスぴったりに配置されず、丸い部分の右辺と下辺が欠け、上辺と左辺に余白が出来てしまいます。【図2】
【図2】
画像のセンタリング(command+shift+M)を実行してもやはりズレているようですし、メジャーパレットのオフセット値も変な数字を示しています。【図3】
【図3】
これは本当にズレているのかPSプリンタで出力したところ、微妙ながらやはりズレていることが確認できました。
なぜ、こんな事が起きるのでしょう? それはPostScriptの仕様に原因があります。
IllustratorEPSで描かれた図形は、全てPostScriptという言語で記述され、Illustratorファイルに保存されます。この図形も「どの位置に、どの大きさで描かれている」というPostScript情報が書き込まれます。 【図4】を見てください。Illustratorに描かれた図形の位置を示すのはルーラーの原点0,0の位置(デフォルトなら用紙の左下)を原点に、「X方向20mm、Y方向17mm(点A)を起点とした、X方向30mm、Y方向27mm(点B)までの四角の範囲に入る画像」というPostScriptが書かれます。
※2000年8月 追記:Illustrator9.0からはルーラーの0,0ではなく、オブジェクトの原点(点A)を参照するように変更になりました。
【図4】
これは複数のオブジェクトを含む場合も同じです。全てのオブジェクトを囲む外枠(緑の線)の点Aと点BをPostScriptは記録します。【図5】
この外枠をboundingboxといいます。
さて、ここからが問題です…
【図5】