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マルかバツか?OS X
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 当然だがOS X にも一通りのアクセサリやアプリがついてくる。計算機やInternet Explorer5.1、TextEdit(旧SimpleText)などだ。Previewというソフトもある。これはPDFファイルを読んだりプリントやフォーマットをするためのソフトらしい。いよいよPDFがファイルの共通フォーマットになりつつあるということだろうか。というか、これだけ浸透してきているPDFがAcrobat Readerしかスタンダードソフトが無かったことの方が不思議かも。QuickTimeは5.0に。 とうとうNetscape は無くなってしまったようだ。またStuffIt ExpanderはあるがDropStuffは無い(共にClassic環境の9.1にはある)。
スクリーンショットを撮るには「Grab」というUtilitieを立ち上げなくてはならなくなった。今までショートカットで出来ていただけにこれはマイナス点。ただしこのGrab、解像度はもちろん72dpiのままだが、なかなか良くできていて多少の設定が出来るようだ。ショットを撮ってみるとちゃんとファイル名を指定して保存場所を選べるようになっている。今までHDの第一階層に「スクリーン1・2〜」と決まった名前でしか保存されなかったことを思うと、たいした進歩である。これでプラスマイナス0という感じか。ちなみにファイル形式はなぜかTIFF。PICTではなくなった。
スクリーンセーバーも標準でいくつか付いている。市販のものに比べると動きは貧弱だが「Beach」などは私は気に入った。おもしろいことにウチのデュアルモニタだと2つのモニタに違った画像が動いている。
当たり前だがこれら付属してくるソフトはOS X ネイティブなソフトだ。現状ではOS X で使えるのはこんなものだろう。試しにTextEditを立ち上げてみると、ちゃんと3色のボタンが左上に鎮座していて、インターフェイスもOS X ライクにできている。今度のTextEditには環境設定という項目がある。見ると結構いろんな設定が可能なようだ。フォントパネルというパレットまで付いていて、エディタとして成長の跡が伺える。それで名前から「Simple」が消えたのかもしれない。このTextEdit上では噂の「ヒラギノ」が使える。実はこの文章もTextEditで書いてみようと思っていたのだが、なにせ使い慣れたATOKではないので、仕方なしにClassic環境でSimpleTextで入力している。テキストだけなのに画面のリロードが遅くて閉口しているのは、やはりOS X が重たいせいなのだろうか? 装着してあるビデオカードが原因かもしれない。
ちなみにシステム環境設定(旧コントロールパネル)でマウスの設定で「軌跡の早さ」を最速にしたら、これはとんでもなく早くなってしまい、カーソルを見失いそうで元にもどした。9.xまでは最速にしても少々物足りなかったのに。



 Classic環境を立ち上げてみる。Classic環境はOS X の上でOS9.1をエミュレートしている。つまりMacintosh上で動くVIRTUAL PCやSoftWindowsみたいな物と思えばいいのだろうか。「アップルメニュー」「システム環境設定」「Classic」と進んで、9.1の入っているボリューム(HD)を選択、「起動」をクリックするとClassic環境が立ち上がる。「このコンピュータへのログイン時にClassicを起動」というボタンにチェックしておくと、OS X 起動と同時に常にClassicも起動することもできる。
立ち上げるとデスクトップなどのGUIもOS9.1になるのかと思っていたらOS X のままだった。何かアプリケーションを立ち上げるとメニューバーはOS9.1になるが、やはりベースはOS X なのだろう。つまりClassic環境とはOS X で旧アプリケーションを使用するためだけの設定らしい。決して9.1そのものになるわけではないので「Classic環境があるからOS X でも大丈夫」とは安易に言い難い気がする。
試しにIllustrator8.01とPhotoshop5.5を立ち上げてみたら問題なく立ち上がった。Illustrator5.5もOK。ところが笑ってしまうというか、Dockを表示しておくと、こいつが必ず全面に来るように出来ているらしく、ジャマなことこの上ない(笑)。やはりDockは非表示にしておかなくては使えないようだ。


困るのがQuarkXPress。どうもClassic環境でもOS X の上に乗っているせいなのかドングルを認識してくれない。つまりQuarkXPressは全く使うことが出来ないのだ。たぶんドングルを使う他のアプリも同様だろう。IllustratorやPhotoshopが「全く問題なく」使えるのかどうかはわからないものの、とりあえずは動かすことは出来そうなのだが、QuarkXPressは絶望的である(USBドングルなら大丈夫なのかは不明)。ちなみにiMate経由でつなげてあるADBマウスはキチンと動いているので、やはりドングルのせいなのかもしれないが、OS X はADBに対してサポートが不十分という噂も聞いた。これはMacOSがドングルを認識できるようにバージョンアップするべきなのか、QuarkXPressがドングルを廃止するべきなのか…。ぜひ、両社に検討してもらいたい。

 ついでだから何かインストールをしてみることにした。とはいえOS X ネイティブなアプリは無いので、とりあえず最近買ったATOK14(OS8.6・9用)を入れてみた。OS X 上でインストールするとClassic環境にインストールされるようだ。「なるほど」と思ったのはインストーラ終了時に再起動を実行するとマシン自体が再起動するのではなく、Classic環境だけが再起動した。Classic環境は、それのみを強制終了することも出来るので、ソフトをまとめてインストールするときはちょっと便利かもしれない。またClassic環境を立ち上げていない状態でOS X ネイティブアプリ以外のソフトを立ち上げようとすると、まずClassicが立ち上がってからアプリが立ち上がる。そのため結構な時間待たされることになるので、やはり「このコンピュータへのログイン時にClassicを起動」にはチェックしておいた方が良いだろう。

 さてDTPユーザーとしては気になるのが「ヒラギノ」フォントだろう。そのままIllustratorなどで使えるのかと思っていたら、なんとフォントリストに現れない。つまりOS X ネイティブソフトでなければ使えないのだろうか?色々試してみると残念ながらIllustrator8.xでは使えなかったのだが、9.0では使うことが出来た。これはシステムのフォントフォルダやアプリケーションサポートにインストールするのではなく、アプリ本体のフォルダの中にコピーすることで使えた。しかもOS X のClassic環境だけではなく、9.04で立ち上げた状態でもOKだった。「Illustrator9.0」フォルダの中の「必須ファイル」の中にある「フォント」フォルダへコピーする。このヒラギノフォントは1書体2万円以上で販売すると聞いているので、6書体付いて1万円ちょっとのOS X は「それでいいのか?」と聞きたくなる価格設定だと感じる。
ついでにプリントもしてみる。Classic環境ではメニューバーからセレクタも選べるので、私の使っているEPSONのPM3300C(クイックドロー・RIPなし・USB)、LP9200-PS3(ポストスクリプト・Ether)共に出力された。PM3300Cでプリントした時は、プリント中画面がグレーに反転してしまうという現象があったが、プリント自体には問題がなかった。フォントのダウンロードにチェックすることでPSプリンタへのヒラギノも出力OK。ところがOS X 上からTextEditのファイルをプリントしてみようとして挫折。OS X にはセレクタが無い。マニュアルには「USBプリンタを使用している場合は、そのプリンタが自動的に選択されます」とあるが、プリントを選ぶと「プリンタが選択されていません」と出る。EPSONのHPを見たらPM3300CはOS X には対応していなかった。これはいずれドライバのアップデートなどで対応するんだろうな…? してくれなきゃ困るぞ。このプリンタだってまだ買ってから1年もたってないのに、「もう古い機種ですから」なんて言われた日にゃ、たまったもんじゃない。

 SCSIカードから繋いでいる外付けHDをハナから認識していたので安心していたのだが、実はその先のMOやスキャナを認識していないことが発覚。ドライバをインストールしていないからだろう、と最初はたかをくくっていた。で、ドライバを通常使っているHDよりコピーしようとしてハタと困った。OS X には「機能拡張」フォルダも「コントロールパネル」フォルダも無いのだ。「Library」というフォルダがどうも同じような機能を格納している所らしい、という見当はつくのだが、Libraryフォルダの中はまたいくつもフォルダに分かれていて、実際、機能拡張書類をどこに入れればいいのかわからない。仕方がないので(というか、たぶんOS X にインストールはできないだろうし…)Classic環境のシステムフォルダへB'sCrew3.1.8を入れてみた。しかしダメ…。MOは全く認識してくれない。スキャナに至ってはTWAINドライバをインストールしようとしたら、インストーラが暴走してしまった。スキャナもEPSONで、これまたOS X には対応していないとあった。はぁ…。

 さて、いい加減つかれたので(笑)、とりあえずOS X の実験はこの辺にしておくことにする。できればちゃんとしたレビューにしたかったのだが、私の知識ではとてもそこまで出来そうもないことがよくわかったことだし(笑)。全体的な感想として、なんだかんだ言ってもAquaのGUIはかっこいいし、やはり未来的な物を感じる。ホビーユーザーにはちょっといいかもしれない。システムレベルの話は私には深く突っ込めないが、やはり「全く違う」ということだけは何となく感じた(いや詳しい人に言わせれば「同じような物」なのかもしれない)。先日参加したオフ会ではOS X はこれで「正式なベータ版」だという意見も聞かれたが、これだけ違う物なのにClassic環境で前のアプリケーションを当たり前のように動かすことが出来る、というのはすごいことなのかもしれない。OS X がプレインストールされるマシンが発売になる頃にはいろんな書籍や情報が揃っているだろうし、ひょっとしたら10.5くらいになっているかもしれない。とりあえずそれまで、私は「おあずけ」状態になりそうだ。

 で、OS X は「マル」なのか「バツ」なのか?って、そりゃネイティブアプリも対応ドライバも無い状態じゃ何とも言えないって…。<しょーもないオチですみません。

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