私も仕事でCADデータをなんとか使えないかと持ち込まれるケースがあり、以前からこの問題をなんとか究明してみたいと思っていたところでしたので、今回ご協力いただいたロッシュさんに感謝を込めて、解る範囲内ですがまとめてみました。
まず、頂いたDATAはWindows版VectorWorks(ver8.5.2)で制作し、dwg・dxf・eps・wmfの各形式で保存したファイル、および、そのファイルをWindows版AuotCAD(verLT2000i)で開き、同様にdwg・dxf・eps・wmfで保存したファイルをいただきました。VectorWorksからAuotCADへ変換する際、オブジェクトの位置にズレが生じたので、元ファイルと同じになるようにAuotCAD上で修正していただいたそうです。
VectorWorksでの作られた状態はこんな感じです。
VectorWorksのキャプチャ
これをMacintosh版Illustrator8.01と9.0で開いてみた結果は、下の通りです。(wmfはWindows用のフォーマットなのでMacintoshでは開かなかったため割愛しています。)
「○」の部分をクリックすると、Illustratorで開いたときのキャプチャが表示されます。またVectorWorksのeps以外は色が付いていないため、プレビューモードでは解りづらいので、アートワークモードで表示したものをキャプチャしました。上の「VectorWorksのキャプチャ」と見比べてください。
×とあるのは、全く開くことが出来なかったものです。
ではこの結果を細かく見ていきます。
まず、全体的に言えることとして、テキストに関しては、WindowsとMacintoshの環境の違いがありますので、書体までは当然正しく再現できません。記号など機種依存文字が有る場合は、文字化けすることも考えられます。
次に色情報ですが、VectorWorksのeps形式以外は全て色情報を持ち込むことは出来ませんでした。塗りやパターン(模様)は一切無くなります。線はRGBカラーのR0・G255・B255の水色になっています。線幅はdwg形式以外はマチマチです。
VectorWorksのepsにしても、正しい色を再現出来ませんでしたので、CADからIllustratorへコンバートする際は、色情報は諦めるしかないようです。
線分の直線は全てバラバラになり、「先端の形状」と「角の形状」を丸くすることで、つなぎ目をカバーしています。
心配していた曲線ですが、円の図形を見る限り細かい直線の集まりではなく、ハンドルの付いたベジェ曲線で、クローズパスになっていましたので、容易に再編集は可能そうです。
※VectorWorksのeps形式だけは特殊でしたので、後ページで説明します。